第11話 ストレスコーピングで悩みを和らげる
こんにちは、けいあい園相談役の藤田です。
職場をより良くできそうなネタがあればどんどん取り入れていただこうと思い、いろいろ書いてますので是非参考にしてみてください。
前回・前々回とお伝えした内容に関連して、今日はストレスコーピングについて紹介します。人間、悩みをなくそうという発想自体に無理があるとは思いつつ、心の病を防ぐ方法は知識として持っておくべきだと思います。ストレスの蓄積は病気にもつながるからです。
コーピングは「対処」と訳せます。ストレスの対処には様々な方法があるので、自分に合った方法を取り入れていけばいいです。とにもかくにもまずは対処するべきストレスを理解する必要がありますので、自分が感じているストレスが何なのか、例えば紙に書き出してみるなどしてみることをおすすめします。やみくもにポジティブシンキングを心がけても無理が生じます。
ストレスコーピングは大まかに3種類に分類されます。難しい用語を覚えることが目的ではありません。内容を理解してみてください。
①問題焦点型コーピング・・・ストレスの原因(ストレッサー)に働きかける。
②情動焦点型コーピング・・・ストレスへの認知の仕方を変えることで、受けるストレスをなくすあるいは少なくする。
③ストレス解消型コーピング・・・受けてしまったストレスを体の中から追い出す、発散する。
介護の仕事をするうえで生じやすいストレッサーの例はこんな感じです。
①利用者に対して
・うまくコミュニケーションが取れない
・過大な要求をされる
・こちらが不快になるような言動をされる
②利用者の家族に対して
・過大な要求をされる
・こちらの仕事ぶりや態度に対する不本意なクレーム
③上司や同僚に対して
・いじめやえこひいきがある
・仕事を正当に評価してくれない
・不安や悩みを相談できる人がいない
④事業所に対して
・長時間勤務、業務量の多さ
・金銭的報酬の少なさ
・身分の不安定さ
・将来の自分の仕事内容や地位が不明確なまま
⑤自分自身に対して
・仕事に自信が持てない
・利用者さんの役に立てない
・仕事上の自分の役割がよくわからない
上記はほんの一例ですが、なるほどと思っていただけるものもあるかもしれません。日常的に色んなストレッサーに襲われているわけです。今日のテーマはストレスを和らげることですが、そもそも『ストレスが溜まっている』サインに自分で気づくことがまず一歩目です。ストレスに気づかずにバーンアウトしてしまうのが一番つまらないことです。ストレスのサインとは具体的にこんな感じです。
【心】・・●落ち込んだ気分になる●意欲が低下してやる気が出ない●集中力が出ない●イライラしたり不機嫌になる●不安が高まり落ち着かなくなるなど
【体】・・●頭痛●胃痛●下痢●じんましん●腰痛●高血圧●慢性的な疲労感●不眠●食欲がないなど
【行動】・・●人づきあいを避けようとする●他人に対し攻撃的になる●ひきこもりがちになる●たばこやお酒、食べる量が増えるなど
もしもバーンアウトに陥ってしまうと、長期休養が必要になり、回復し仕事や社会に復帰できるまで時間もお金も体力もたくさんの犠牲を払わなければならなくなる可能性もあります。できるだけ早めにストレスを把握して解消したり、ストレスが生まれる状況を改善することが大切です。自分の身を守るのは、自分です。
では実際に自分自身のストレスに対してどんなアクションが起こせるでしょうか。ストレスを解消するための“コーピング”には以下のようなものがあります。
①積極的な問題解決
問題の原因を明らかにして、積極的に解決しようとするコーピング。例えば、問題について情報を集め、解決方法を考えて実行する。
②放棄・あきらめ
問題が起きたことはしょうがないこととあきらめるコーピング。例えば、この問題は自分のせいで起きたわけではないので、しょうがないと納得する。
③回避・休養
問題そのものから一時的に距離をとるコーピング。例えば、旅行に出かけてリフレッシュする。
④相談
他者からの援助を求めるコーピング。例えば、同僚に相談したり、愚痴を聞いてもらう。
⑤見方を変える
問題を別の視点からみるようにするコーピング。例えば、今は大変だが自分にとってはいい経験になるとプラスに考える。
いかがでしたでしょうか?前回、前々回のブログで紹介した『期待しない』は②の放棄あきらめにあたり、『地力をつける』は①の積極的な問題解決にあたります。④の相談はつながりの会のようなコミュニティに参加するのも有効ですし、⑤はこのブログに込めている私の魂そのものだったりします。
いちいち『これはどのコーピングで・・』というふうに日々過ごしてきたわけではありませんが、改めて理屈を知ると当てはまるものが多くて理解が深まります。
みなさんも、このブログの内容がきちんと理にかなっていることがわかって頂けましたでしょうか(笑)
しかしここに挙げたことは一例です。自分に合ったストレス対処方法でメンタルをすっきり保てるよう、意識的にコーピングを使い分けたり、組み合わせたりして効果的なセルフケアを行ってくださいね。
本日も長文にお付き合いいただきありがとうございました。